土日を利用して、嫁の実家に来た。
約二週間ぶりに息子と対面。
生まれたばかりのときは目を開いている時間が1日のうちの
2%ぐらいだったけれども、
今日会ってみたら20%ぐらいになっていた。
目を開けているといろんなものを見せたくなるのだけど、
本人はひたすらポカーンとしていることが多い。
「なにここ?なにこれ?この見えてるのは何?」
そんな声が聞こえてきそうな顔をしている。
よく、「うまれたばかりの赤ちゃんの視力は0.1」とか言うけれど、
それはなんとなく違うような気がする。
鼻先までこちらの顔を近づけても反応がないのは確かだけれど、
もしかしたら視界自体は僕らと同じようにクリアなのかもしれない。
問題はまったくobject recognition(物体認知)が出来ていないという
ことだと思う。
彼にとってはいろんな場所にいろいろな色のクオリアが貼り付いたものを
見ているのだけど、
そのなかに顔や天井や服などのものの輪郭を抽出して、
その同一性を認識できていないのだろう。
だからたくさんの絵の具をぶちまけたキャンバスと区別のない何かを
彼はみているのではないか。
今回抱っこしながら体を揺らしたりしていたら、
体の揺れに反応して、眼球が動くのを発見した。
たぶん、生後すぐはできていなかったと思う。
体が右から左に動くと、その動きによる視界の変化を補うかのように
目線は左から右へ動く。
たぶん、gaze(注視)はもうできているのだと思う。
見ているものが何かわからないのに、gazeはできるってどういうことなんだろう。
なんとなくだけど、そのgazeは前庭系(vestibular system)によって
制御されているのではないかと思われる。
三半規管を通じて体の傾きや加速度の情報が前庭に入り、
そこからダイレクトに上丘に伝わり視線の制御をしているのでは
ないかという気がする。
いろんな方向にゆすってはあれこれ試してみたんだけど、
驚くほど正確に眼球の動きはそれに追従した。
てことは回転や傾きや加速度の体性感覚情報と眼球運動のカップリングは
すでにできてるってことになるのだろうか。
sensoryとmotorのカップリングとcross modalな感覚統合だと、
sensory-motor couplingの方が早いのかもしれない。
全然目が見えてないから当然なのだけど、
手を振り回して何かにぶつかったときのその物体の位置と、
視覚的に見えているその物体の映像は
彼の中では微塵も関連しているようにはみえない。
音が鳴る方向と視覚的・体性感覚的空間位置の関係もまったく
できあがってはいないだろう。
そういうcontingencyをいつ彼は学習するのか、楽しみである。
寝てるときに大きな音がすると手と足がビクンと伸びる姿がかわゆい。
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