昨日のゼミでは、論文紹介の担当で、
Libet実験をちょっと違ったアプローチで行った論文を紹介。
半年ぐらいまえに石川くんに教えてもらった論文。
指を動かしたいと思ったら素直に指を動かしてくださいとインストラクションしつつ、
ランダムに音を鳴らすので、
動かしたいと思っている時にその音が鳴ったら動かすのはやめてください
という教示をする。
そして音の分布をアクションの時刻でソーティングして再構築することで
意図が生じた時刻を推定するというもの。
従来のLibet実験だと意志の発生は行動の0.2sec前なのに対して、
今回推定された意志発生時間は1.4sec前と大幅に早くなっている。
それでもReadiness Potentialの発生の方が早いが。
この従来の実験との大きな差から、
意志が有る・無い、の二値的な状態ではなく、
mind-wonderingの実験でself-monitoredなものとprobedなものだと
self-monitoredのほうがずっと少ないという話を引き合いに出して、
意志をメタ的に認識している状態(self-monitored)と
問われれば意志を持っていたと分かる状態(probed)というものが
あるのではないかということをディスカッションで述べている。
そうやって意志の形成の過程にもいろいろあるかもしれないという
視点が興味をひいた。
あと、Readiness Potentialの発生時刻などの生理学的な時間と、
意志が発生したという主観的な時間の間の相関が
かなり低いということにも驚いた。
Readiness Potentialって意志の発生のメカニズムとは
実は全然関係ないんじゃない?とも言うことができるかもしれない
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