アメリカの中間選挙の結果がでて、
オバマ大統領の民主党は大敗して、
上院・下院ともに、過半数を共和党に握られてしまった。
オバマ大統領が選出されたときのことを思い出すと、
隔世の感がある。
あんなに人気があり、あんなに期待されて、
あれほど祝福されて選ばれた大統領だというのに、
変われば変わるものだ。
共和党の躍進の理由はいろいろなものがあると思うし、
自分には到底それらを列挙したり分析したりはできないけれど、
自分として気になるのはイラクからの撤退のやり方。
イラクから撤退する報道を聞いた当時は、
「やっと前の大統領がはじめた愚かな戦争を幕引きできる」
と思ってその意思決定を正しいと思っていたが、
いまのISISの脅威を考えると、もっとうまいやり方があったのかもしれないと
思ってしまう。
変わったのはアメリカの大統領の人気だけではなく、
世界の情勢も6年前とは様変わりしている。
6年前の自分には中国がこれほどまでに力をつけて
脅威になるとは思っていなかった。
でも簡単な算数でわかったことだと思う。
人口が 13億人で日本の10倍。
もし、一人当たりGDPが日本人と同じだったら、
アメリカすらも凌ぐ超大国だ。
もちろん、一人当たりGDPは日本と同じことはない。
日本 38,000ドル
中国 7,000ドル
中国の1人あたりGDPは日本の20%に満たないぐらいである。
現状は。
しかし、一人当たりGDPが日本の1/5 でも、人口は10倍である。
そして、成長率は日本とは比較にならない。
中国は、10%の成長はもはや望めないにしても、
いまだに7%程度は維持している。
毎年7%の成長を続けた場合、約10年で、もとの2倍に達する。
十数年後、中国の一人当たりGDPが日本の半分程度まで上がり、
人口がやはり10倍あるとしたら、
(そして日本のGDPがいまと変わらないとすれば)
中国のGDPは、日本の5倍に達する。
そうなってくると、国家予算もそれと同じぐらいの差が生まれていることだろう。
十数年後に、中国が今のような「帝国主義」的な態度を続けていた場合、
軍事的な脅威を(最悪のシナリオとして)考えないわけにはいかない。
もし、どの国もGDPに占める軍事費の割合が一定なら、
当然、GDPが大きい国の方がより多くの軍事費を割り当てられることになる。
GDPが5倍なら軍事費も5倍だ。
あるいは、他国と同じ軍事費を維持しようとしたら、
GDP比で5倍の比率を軍事費に割かねばならなくなる。
つーか、すでに中国の防衛費は日本の2倍を軽く超えている。
軍事力は単なる防衛費の多寡だけでは決まらないし、
過去の蓄積もあるし、
日本はアメリカとの同盟関係もあるし、
そうそう簡単に勝てる負けるを論じられるはずないけど、
日本の倍以上の軍事費を10年以上投入されたら、
さすがに20~30年後には軍事的に太刀打ちできない規模に
なっていると思うんだよね。
オレが還暦迎えるころ(約30年後)に、
この国や世界はどうなっているのかな、と時々考えています。
*ちなみに、米国の国防費は日本の10倍近かった