すっかり陽気は夏で、暑い日が続く。
梅雨はどうなったんだろう。
これから来るのかな。
まだ今日は湿度がそうでもないので、
エアコンはつけずに車を運転できた。
容赦なく太陽がハンドルを握る手を焼く。
開けた窓から風が吹き込む。
ときどき排気ガスが臭う。
汗と埃で、顔はすぐさまべたべたになる。
そういう泥臭さも、案外気持ちよかったりする。
生きて働いているということを強く感じる。
肉体労働者になって朝から晩まで働いていると、
世界から隔絶される。
政治も選挙も教養もへったくれもない。
ただ目の前にある信号や荷物の重みやランチの看板が
視界のすべてを埋め尽くす。
そういう世界に没入してみると、
政治家や科学者や小説家がまったく無力な存在に見える。
そのひとたちの声は、全くここには届かない。
この国の問題にピーピー文句を垂れるだけのインテリも、
適切な危機感を抱けない鈍感なインテリもどちらも無力すぎる。
行動する知性が求められている。
そうでなければ、ここまでは届かないよ。