日本にとって消費税は悩ましい問題である。
消費税の議論が巻き起こる度に、増税は先送りにされ、
あるいは増税が決まると、その政権は崩壊する。
そして再び消費税が10%になることが現実味を帯びてきた。
僕はこの政策を支持するけれど、
この増税を呑めるか呑めないかで、
僕ら若い世代のこれから背負い込まされる負担も決まってくる。
現在のような極端な少子高齢化の人口分布になることは、
1980年後半ごろからでも予測はできていたはずだ。
少なくとも、人口分布が標準的なピラミッド型とはよべない形になっており、
壺型に近くなっていたはずで、
その人口分布だと、ピラミッド型を前提として設計されていた
福祉制度が立ちいかなくなるのは論理的な帰結としてわかっていたはずだ。
あるいは最初の消費税導入から約10年後の消費税の5%への引き上げ時には、
人口分布はすでにコブラの頭のような形になり尻すぼみになっていたはずだ。
それでも少子高齢化の問題は理解されなかった。
というか、自分でも少子高齢化による人口分布の歪曲と
それに伴なう社会福祉制度の行き詰まり、
そして拡大する世代間格差の問題を理解したのはつい最近だ。
それでも、論理的帰結としてはもうずいぶん前からわかっていたはずで、
もっと前から主張されていてもおかしくなかったはずだ。
それが、すでに取り返しがつかない時点になって、
やっと一般に認知されてきて、それを是正するために
消費税を持ってくることになるのは遅すぎやしないか。
なんとなくだけど、官僚とよばれている人たちはこの問題はきちんと理解していて、
そのための政策を提案していたんではないか。
それでも、ポイントオブノーリターンを過ぎるまでその提案が
受け入れられなかったのは政治家の見識のなさであるとしか思えないし、
そういう政治家を支持し続けた国民の問題でもあるのだろう。
もし今回の参院選で消費税増税がすんなり通るようなら、
さらなる消費税の増税も視野に入ってくるだろう。
若者マニフェストにあるような消費税30%なんて日も来るかもしれない。
誰かを積極的に犠牲にするような行動は誰しもいやなものだ。
しかし、これはトロッコ問題である。
あるいはファットマンを突き落とすか、5人を見殺しにするか。
老人たちの食い逃げを許すか、
全員で自腹を切るか。
そういう苦しい決断を一人ひとりが真摯に考えて
決断を下さなければならない。
難しい政治判断を人任せにするのではなく。
ところで、人口分布図を見ているといろいろと面白いね。
70歳以上の人口分布の左右の非対称性が露骨だこと・・・。
あと、ところどころ櫛の歯が抜けたように人口が急落している年齢があるとか。
人口が今後も減少をし続けるかどうかは、
なかなか怪しいと個人的には思っている。
これから日本はどんどん厳しい時代に入っていく。
皮肉なもので、生きるのが厳しい時代ほど子供の数が増えたりする。
そして豊かになって生活にゆとりが生まれてくると、
江戸時代のように出生率が下がってくる。
このまま日本の国での生活が厳しくなってゆけば、
それに反発するように出生率はあがっていくかもしれないなんて、
思ったりする。