フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

死者との対話

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親父が死んで、会社を継ぐことにした。

急速に品川や自由意志や論文や茂木研が遠ざかって、
越谷と車とタバコの煙とボンベのぶつかり合う音を突きつけられる。

社長室にあるいろいろな書類をひっくり返しては、
親父がこれまでどんな仕事をしてきたのか、
誰とどんなやりとりをしてきたのかを探り、
会社の人たちにあれこれと仕事を教わる。
一日に数人は訪れるお客さんとの会話から
進行中だった仕事の断片を聞く。

書類をひっくり返しても、人から話を聞いても、
至る所に親父が生きていた痕跡が残っている。
壁にべたべたと書類や写真を貼る人だったし、
こまめに議事録や契約書類をファイルにとじる人だった。
問いかければ答えるように、
まるで肉声と体温が残っているかのように、
そこで仕事をしていた痕跡が依然として残っている。

まるで親父と対話をしているようだと思うことが何度もあるし、
「なんで死んじまったんだ」と思わず声が漏れてしまう。

親父の仕事は自分の仕事ではないと思っていた。
だけど、親父と一緒に仕事をするのは好きだった。
こんな風に仕事をすることになるんだったら、
親父と一緒にやったらもっと楽しいのにと何度も思う。
でも、オレがこの仕事をしているのは
親父がいなくなったからで、結局はそうなるしかないのだ。

半年前に結婚式をやって、先々月に子供が生まれて、
と思ったら親父が逝ってしまった。
めまぐるしい1年だ。
あとやってない冠婚葬祭行事はなに。

根拠のない自信といわれのない不安が一日の間に何度も入れ替わる。
この窮地を好機として、
せいぜい人生の経験値を稼ぐとしよう。

コメント(1)

こんにちは。2度目のコメントになります。

自信と不安が入れ替わる毎日は、最近の僕も経験しています。
不安になってもまた自信がやってくるさと思えば、何となく
安心するからあまり悲観的には捉えていません。

今、とても大変な毎日だと思います。
いろいろ考えすぎてどうか気持ちを細くしないでください。

今後もちょくちょく拝見させてもらいます。
ブログを読んで僕もモチベーション上げさせてもらっています。

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