Kindleが欲しい!と思いつつしばらく過ぎた頃、
iPhoneでもKindleが使えるという情報を耳にした。
「Kindle」ってあの電子端末の名前だと思っていたら、
"電子的に本を販売する仕組み"それ自体を指すらしい。
そんなわけで早速 Kindle for iPhone をインストールして、一冊買ってみた。
買ったのは前から読もうと思っていたKurt Vonnegutの"The Sirens of Titan"。
嫁のお義弟さんがヴォネガットがすきで、
よくその話をしていたので気になっていた。
値段は11ドルとちょっとで思ったよりは安くなかったけれど、
本屋さんで洋書棚をうろうろしたり、
Amazonで注文して届くのを待って、不在通知を受け取って、
再配達依頼をしたりする手間が省けるのはいい。
何より、欲しいと思ったときにすぐ手にはいるのは
代え難い心地よさだと思った。
iPhoneだと画面が小さいけれど、それでも読める。
Kindleだと、自由に背景色と文字の色を変えたりできるし、
字の大きさを変えることができる。
この、字の大きさを変えることができるというのは、
紙の本にない電子書籍の大きな強みでではないかと思った。
うちの親父は以前から「字が小さくて読めない」とよく嘆いているのだが、
そういう視力の弱まったお年寄りにこそ、
電子書籍が福音となるかもしれない。
iPhoneで本を読むことができるというのは画期的なことで、
これぞまさに前々から自分がしたかったことだ!という気がしている。
以前から電車などの移動中に如何に時間を有効に使うかということが、
自分にとっては問題だった。
基本的には本を持ち歩けばいいのだが、
たまたま持ち歩いていないときもあるし、
電車が混んでいるとバッグから取り出すのが億劫になるし、
さらに苦しい姿勢で読むというのが苦行みたいになったりする。
それで携帯やiPhoneでPDFを読もうとしたりするのだけど、
携帯だと画面が小さすぎるし描画動作が鈍すぎて読むに耐えないし、
こまめに読みたいPDFを入れ替えるのもめんどくさい。
そんなわけで電車が比較的空いているときは本を読んで過ごし、
それ以外のときは漫然として過ごすという風になっていた。
でも、Kindle for iPhoneだと、いままで漫然と過ごすことを
余儀なくされていた時間のかなりの部分を読書時間に変化させる
ことができる。
これはかなり画期的な変化であった。
iPhoneでの読書は可能!とわかったので、
少し調べてみたら、「Stanza」というiPhoneアプリを発見。
このアプリは無料で、しかもProject Gutenbergにアクセスして、
そこから本を引っ張ってくることができる!
インターフェースはKindleの方が若干良いけれど、
Kindleとそれほど変わらない読みやすい。
(おそらくKindleの方が後発だからStanzaよりも良くなっていて当然)
Project Gutenbergはフリーで本が読める素晴らしいサイトだが、
いかんせん読むのが手間という弱点があった。
プレーンなテキストデータというものは、
読書するという行為にはまったく向いていない。
しかし、Stanzaを使えば簡単に読書向けのインターフェースに変換された
テキストを読むことができる。
Kindle for iPhoneとStanzaを使えばかなり手軽かつ安上がりに
隙間時間に読書することができる。
残念ながら現時点では日本語の本はごくわずかしか読めないが、
(豊平文庫というiPhoneアプリで青空文庫の本が読める)
草薙素子がGhost in the Shellのラストで言ったように
「ネットの海は広大だわ」なのである。
日本語の本が読めなくても、英語で読むべきものが
ネット上には広大に広がっている。
そんなわけで日本の出版産業がまったく愚鈍であって
この流れに追従できなくてもまあべつにいいかなと思う。
いずれは日本語の本の電子書籍化がすすむだろうけど、
それまでの数年間は英語で書かれた本だけでも十分楽しめる。
Kindleはまさに読書欲をKindle(火を付ける)するシステムだと思う。
はじめまして。deltamと申します。もぎけんPodcast購読させてもらってます。
ネット上のページをiPhoneで読むにはInstapaperというアプリが便利ですよ。自分はこれでWebページを印刷することが激減しました
URL欄に紹介記事リンクしときました。