日曜日は選挙があったけど、
期日前投票で事前にすませてあって、
その日は千葉県の佐倉まで行ってきた。
国立歴史民族博物館というところで、
「日本建築は特異なのか」という展示をやっていたので、
それを見てきた。
お寺とか神社とか古い建築を見るとき、
すっごく注意して見る部分があって、
それがこれである。
これは京都御所のどこかで撮ったやつ。
この、柱と屋根が接するところにある太くて複雑なあれ。
名前はしらないのだけど、これがすきなのである。
奈良の五重塔を見たときに、
ここが異様にかっこよかった。
やたら入り組んでいて複雑なのに豪気なかっこよさがある。
それ以来、寺とかそういうものを見るときはここに注目するようになった。
注意してみるようになると、これは奈良とか平安とか古い時代の建築に多く、
江戸の頃の建築では滅多に見ない。
たぶん、古い時代にはその建築を成立させるためにそういう構造が必要だったのだけど、
時代を下るにつれて技術が向上したりあたらしい構造が生み出されて、
そういう構造は必要なくなった結果、
それは姿を消していったのだと思われる。
そんなわけで、昔からそれが気になっていたところに
「日本建築は特異なのか」展のポスターが目にとまった。
まさに、あれである。
この展示会に行けばあれの正体がわかるんじゃないか!という期待を胸に、
浅草線と京成線を乗り継いで行ってきた。
浅草線と京成線は繋がっていて、
乗り継ぎはあるけれど乗り換えはないので、
何気に楽に行けた。
この展示は、日本と韓国と中国の古い建築を比べることで
日本建築は本当に特異なのか?という問いを考える展示である。
展示の詳細はめんどくさいので書かないが、
いろいろ勉強になりました。
で、肝心のあれだが、あれの正体がわかった。
なんと、あれの構造を発泡スチロールの模型で実際に作ったり崩したりできる
展示もあった!
組物好きにとっては垂涎ものの展示であった。
それで、あれの名前は「組物(くみもの, bracket system)」という名前だということがわかった。
そのまんまだ。
組物は主に「斗(ます, bearing block)」と「肘木(ひじき, a bracket arm)」からできていて、
それがいくつも組み合わさってあのような構造になっているらしい。
要は肘木を置いて、その両端に斗を置いて、
その斗の上にさらに肘木を重ねて、
柱が屋根を他の構造材も含めて支えられるようになっている。
その肘木と斗とその他の構造材との組み合わせ方は一通りではなく、
和様とか、大仏様とか禅宗様などがあるらしく、
建築ひとつひとつで少しずつ違うらしい。
また、中国や韓国など国による違いもあるらしい。
この展示のパンフレットを買ったら、
ご丁寧にCGで組物の構造を解説してくれている。
というわけで組物萌えな1日でした。
ふふ。はまりだしたね。
和様(いわゆる普通の寺社)だと、1手先とか2手先とか、組み物の段数で建物のエラさが違うんですよ。たいてい3手先が最高かな。
和様だと一本の柱につき一個の組物だけど、禅宗のお寺だと、柱と柱の間にも組物があってむっちゃ「濃い」とかね。
面白いよね。
日本建築史図集(日本建築学会)とか、おすすめです。