熱くべとべととまとわりつく空気が、
嫌っていうほど夏な夏である。
先週末に嫁の実家からどっさりと野菜が送られてきたので、
夕飯の材料には事欠かない。
嫁の実家は新潟で、なんといっても枝豆がおいしい。
とおもろこしと枝豆を茹でて、塩を振る。
それだけでおいしい。
きゅうりが大量で、毎日ひとり一本を割り当てにしても
なかなか消費できそうにない。
きゅうりは味噌を添えるだけ。
水菜とトマトとパプリカもあったので、
ザク切りにしてサラダにする。
その中に鶏のモモ肉を焼いたのをスライスして入れた。
鶏肉の焼き方に関しては毎回難儀しているのだが、
今回はうまくいった。
すこしきつめの高温にして、皮のほうを下にして
少し長めに蓋をして焼いたら、
皮がパリパリでジューシーな焼き加減になった。
小鉢の中にでん!でん!でん!と
ほとんど切っただけか茹でただけの野菜が
はち切れそうに盛られていて、
それを嫁とふたりでひたすらむしゃむしゃもきゅもきゅと食べる。
律速になるのは咀嚼する部分だけで、
まるで咀嚼のスピードを一定にするかの如く、
手と口と喉を動かす。
嚥下して口に食べ物がなくなったら即座に口に別の何かを詰める。
木の実をかじるリスか、
草をはむ牛みたいだなあと、
内心笑いながら食べた。
夏で、夏野菜の季節。
食欲の夏。