海で遊んで山に登る。
そんな神津島なのでありました。
ふたつ、神社にも行った。
阿波命(あわのみこと)神社と物忌奈命(ものいみみこと)神社。
神津島は神の字がつく島。
沖縄の御獄(うたき)に似た神聖さが感じられた。
積み上げられた石。
茂る松の木。
まだ大人の腰の高さにも達していない松の幼木。
空と山と海の気配と。
そこにあるものは、神社という文脈とは無関係のものでも、
なぜか目を見張る美を備えているものがあった。
現代アートを鑑賞しているような気分になった。
密やかな佇まいなのに、
それとはアンバランスな強さが内側からはじけそうな
内藤礼さんの作品のようだと思った。
今回は、シュノーケリングのフルセットを持ってきた。
重くてかさばるけれど、持ってきて正解だった。
海の中は別世界だ。
赤崎海岸でキビナゴみたいな魚が、
空間をびっしりと埋め尽くしてカーテンのような光景だった。
長浜海岸はお魚の楽園のような場所で、
次から次にいろんな魚がでてきて、
銛(もり)で漁をすれば自給自足できそうだった。
エイやフグもいた。
泳いで岸壁に移動して、上陸。
ロッククライミングもどきをして、
帰りは陸を歩いた。
なんちゃってトライアスロン。
前浜はクラゲに刺されて早々に退散。
二日目の晩に入ったお寿司屋で「たかべ」というお魚の
お寿司を食べた。
今まで食べたことがないような舌触りと味で、
驚異的なうまさだった。
舌触りは中トロに似ていて、
味と香りは品のいい白身魚のそれに似ていた。
帰りの高速船は空席がとれなかったので、
大島で別の船に乗り換えて熱海に帰る。
高速船ではすっかり、合宿はもう終わりモードに
入っていたけれど、
不意打ちのように伊豆半島の夕焼けが現れた。
それはすばらしい光景だった。
熱海で合宿最後の晩餐。
みんな屈託なく食べて飲み笑う。
二泊三日で、生まれ変わったのだ。