フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

reading on a magazine

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今晩はトンカツを食べようと思って
駅前の「かつき」に行ったら、
「定休日が火曜日から日曜日に変わりました」
という張り紙でがっくし。

近くの洋食屋、「サンロード」はどうかな?と
覗くと、混んでいた。
それに、カップルや家族連れが多くて
ひとりじゃなんだか入りづらい。

遠出をすることにした。
大倉山駅の方へ走る。ときどき歩く。
走り出してもすぐ歩く。

ロイヤルホストを過ぎたあたりで、
冴えない感じの中華料理屋があった。
大倉山駅までもうすこしだったけど、
そこまで行ったところで報われない気がしたので、
その中華料理屋で手を打った。

ファミリーレストランみたいなツルツルピカピカした
お店よりは、こういう寂れた風情のお店の方が、
なぜか、すきだ。

中学生か高校生ぐらいの女の子が
注文を取りに来てくれたけど、
日本語が不自由で、なかなか意思の疎通ができなくて、
そうしたら奥からカタコトの日本語を話すおじさんが出てきた。

「表に出てた看板の定食はまだやってるの?」
「ハイ、まだダイジョブです」
「何がありましたっけ?
「ゴモクチャハンと担々麺と鳥肉の細切り炒めと・・・」
「それ!その鳥肉のやつください」
「あい、ワカリマシター」

厨房はこのおじさん一人らしく、
他にもお客さんが二組いたので、
なかなか料理が出てこない。

ほぼ手ぶらで出てきたので、
ケータイすらなくて手持ちぶさただった。
店を見回すと、入り口の一角の棚に
マンガの週刊誌がどっさり詰め込まれていた。

棚をガサゴソあさってみたけれど、
どれもこれもことごとく古い。
平気で1年前の雑誌がある。
しばらく漁っていたけど、
めんどくさくなってきたので、
一番上のをとった。
伊東美咲が表紙のビックコミックスピリッツだった。
(ググったら07/5/21NO.23だった)

パラパラめくって笑ってしまった。
本当に古いのである。

「CAとお呼び」の作者の「CAとお呼び」の次の作品がやってたり、
一色登希彦の「日本沈没」がまだ日本が沈没するまえだったり、
「地平線でダンス」がまだモルモット編だったり。

そこに刷られているものが最新だったときがあって、
その頃に読んでいた自分は確かにそれを
最新のものだとしてわくわくしながら読んでいた。

だけど、いまはそのワクワク感がなくて、
変わりにワクワクして読んでいた頃の記憶とともに読んでいる。

何年も前に読んだ小説を読み返す、という経験に比べて、
何年も前に読んだ雑誌を読み返すという経験は少ない。
そのせいか、なんだか妙に新鮮な気分だった。

そう思っていながら、ふと、
連載で読むことについて考えた。

このCAとお呼びの次の作品とか、地平線でダンスとか、
単行本では絶対読まなかっただろう。
スピリッツに連載されているという縁で読み始めて、
前者はいつの間にか終わってて、
後者は今も続いててそれなりに続きは気になる。

なんとなく、
そうやって連載で何かを読むことは大事なことなんじゃないだろうか
という気がしてきた。
これまで

読みたい作品がある→それを連載している雑誌を読む

というスタンスだったけど、

毎週買っている雑誌がある→連載されている作品をみる

というスタンスは、
何かに対して、有効なんじゃないだろうか。
そんな気がした。
いまのところ一つだけ言えるメリットは、
自分のセンスからはこぼれてしまう作品とも
接する機会が与えられるということだ。
自分とは異質な何かに接するチャンスであり、
それは自分のチャネルを広げるよい機会になりうる。

そんなことを思って、
これからはオジサンが読むような週刊誌を読んでみようと思った。

週刊朝日とか週刊現代とか週刊ポストとか週刊新潮とか
ともかく週刊とつく雑誌は多い。
そして一様にオジサンくさい。
はっきり言って、どうしてあれを読む人は
あれを読む気になるのかわからない。
それに、週刊なんとかは個体を識別できない。
どれもこれも同じに見える。
かろうじて分かるのは、
グラビアの露骨度に差があること。

自分と同世代の人間が
あの類の雑誌を読んでいるのを見たことは一度もない。
唯一、友達でAERAを読んでいる人がいたけど、
やはりAERAであってもそういう雑誌を読む人は珍しいので
「休み時間にAERA読んでいる人」という風に形容されていた。

同世代ではないけれど、
ごく身近な人で週刊文春を読んでいる人がいる。
正直、何が楽しくて読んでいるのかわからないけど、
もしかしたらためになるのかもしれない、
という気がしてきたので、
帰りに週刊文春を買ってみた。

読んでみた。
なんていうか、
お昼に生姜焼き定食を食べながら横目で見るのに
適しているなーと思った。

しばらくは毎週淡々と読んでみようと思う。

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