作成:2008-07-26 11:55:16
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブを見た。
キューバの映画にはわりと縁がある。
ハバナで生きる人たちを描いた「永遠のハバナ」。
国民から「フィデル」の名で呼ばれ絶大な人気をもつカストロを描いた「コマンダンテ」。
2007/5/28
どちらも素晴らしい作品だったが、
今度のキューバ映画もすばらしかった。
この映画は映画というよりは記憶だ。
年老いたが腕はまったく衰えていない名演奏家達が語る断片的な回想。
街を歩きながらこぼれた鼻歌が、
なめらかにコンサートの映像につながる。
コンサートの映像からスタジオ録音の場面へ。
そして、ホテルでの誰かのインタビューの映像にまた戻る。
この人たちは何故こんなにも素晴らしい演奏をできるのだろう?
一流の演奏家、といって思い浮かぶのはクラシック音楽の演奏者たちで、
彼らは毎日何時間も楽器の練習に時間を費やす。
では、この映画の中の演奏者達はそのような時間を経ているだろうか?
もちろん、膨大な時間を練習に当てているに違いない。
でも、そのような壮絶さは感じられない。
なんだか、このひとたちは自然体で演奏しているように見える。
まるで野生の動物が走り方を教わったわけでもないのに、
とてつもなく早いスピードで走るように。
そもそも、キューバは食べていくだけで精一杯という人が多いのではないか。
実際、映画では靴磨きの仕事をしていたところを、
急に連れ出されてきた人もいる。
そのような国で生きながら、
これほど高度な演奏を学ぶのは想像できない。
でも、それが情熱の成せる業なのかも知れない。
キューバの音楽を聴くと、力が湧いてくる。
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しかしYouTubeはすごいなぁ。
なんでもあるよ。
YouTube: Buena Vista Social Club - Chan Chan (thanks to clivefromyorkshire)
映画の中でも流れたChan Chanという曲。
クラシックギターの音色の澄んでいること!