帰り道、ふと立ち寄った本屋で買ってしまった。
「ショートソング」
もともとこの小説を小手川ゆあさんが
漫画化したものを読んで気に入っていて、
原作の小説を読みたいと思っていた。
「ショートソング」というタイトルが
あまりにストレートすぎて
灯台元暗し気味に
(タイトルの意味に)
気付かないのだけど、
これは童貞とプレイボーイの二人が織りなす
短歌の物語。
ともかく、出てくる短歌が切れる切れる!
:何もないところで転んだ時とかは何を恨めばいいのでしょうか
:遠くから手を振ったんだ笑ったんだ 涙に色がなくてよかった
:先っぽをしゃぶってもらう時にだけ愛されてると実感できた
:好きだった雨、雨だったあの頃の日々、あの頃の日々だった君
:それはもう「またね」も聞こえないくらい雨降ってます ドア閉まります
ここらへんでやめとこう。
あでも、もうひとつ。
:だいじょうぶ 急ぐ旅ではないのだし 急いでないし 旅でもないし
読書に熱中したせいで、
乗り換えの旗の台の駅を乗り過ごし、
反対方面の電車に乗ったら今度は戻りすぎで乗り過ごし、
さらに菊名でも乗り過ごして妙蓮寺までいって、
帰るのに1時間ぐらい長くかかった。
片方の主人公の妹の名前が若芽という。
若芽という名前は
漢字のバランスはいいのだが、
音にすると「ワカメ」だ。
ワカメという音は名前にしてはかなり不自然でダサい。
作者はなんでこんな名前を付けたんだろうと
しばらく不思議に思い、
そもそも若芽は「わかめ」とは読まないで
別の音で読ませるのではないかと
いろいろ思案をおもいめぐらせたが、
兄が「克夫」という名前なのに気付いて合点がいった。
カツオとワカメか!
あの日曜七時におなじみの
日本一有名な兄弟の妹と弟か!
わかったら
思わずにやけた顔になり
近くに立ってた人にみられた