芸大のバウハウス・デッサウ展に行った。
バウハウスという組織が、
現代の建築やアートシーンにどのような痕跡を残しているか
知るのに勉強になった。
建築は知の総力戦である。
コンクリートがどのぐらいの強度を保てるか、
設計した建築が実現可能か、
現実に即した構造計算ができなくてはいけない。
その設計で、その素材で建築が完成したとき、
果たして、それは美しい調和を保っているか、
美的なセンスを問われるのも、もちろんである。
また、建築はそこで生活するものである以上、
人にとってどう感じられるか、
使い心地はよいか、ということも考慮に入れる必要があり、
認知科学的なセンスも持ち合わせていなくてはならない。
土木・物理・数学・心理学・美学・哲学。
あらゆることを知っていないければいい建築はできない。
バウハウスという集団は
そのことを真摯に受け止めて、
そのような人材を大真面目に育成しようとしていたのだということが
この展示を通してまざまざと伝わってくる。
現代に生きる建築やデザインの原型を、
思いがけなく発見することになる。