フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

Spontaneous One

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昨日は東大駒場で、茂木研×池上研合同ワークショップだった。
プログラムは以下の通り。

Joint Workshop on the cognitive process of spontaneity.
プログラム:
13:00-13:30 Consciousness and Spontaneity, Mogi
13:30-14:00 The essence of Spontaneity, Nozawa
14:00-14:30 Active touch, Ogai
14:30-15:00 Spontaneous neural activities, Yanagawa
15:00-15:15 Short Discussion
15:15-15:30 Break
15:30-16:00 Dichotomy of tools and objects, Sato
16:00-16:30 Emotion and spontaneity, Onzo
16:30-17:00 Spontaneity of fish group, Nishimura
17:00-17:30 Autonomy and Homeodynamics, Ikegami
17:30-18:00 Long discussion
18:00     Trip to BYG bar, Shibuya

というわけで、オレもSpeakerの1人だった。

正直、そんな場でTalkなんてできないよ!と、
その采配をした茂木さんを心から非道いと思った。

昨日の午前中に、必死でスライドを作り話の格子を作った。
(頭の中ではずーっと考えていた)
まさにemergencyでありemergenceを起こした。
顔面蒼白の暗澹たる気持ちで渋谷に向かったのだった。

今回のワークショップのタイトルは
「Spontaneous One」というもので、
「自発性 その1」というような意味かと思っていた。
だけどそれなら「Spontaneity One」にするはず。
そう思ってたらFirst speakerである茂木さんは
「Spontaneous Oneというのは"自発性 1"という意味も
ありますが、もうひとつの意味があって、
"自発的なひと"という意味も込めています。
つまり僕らのことです。」
と説明した。

オレのTalkは基本的には修論の内容なのだけど、
イントロにハエの自発行動の話を入れて、
最後でRandomnessとunconscious stimuliが
自発性を生むのか?
自由意志と自発性は不可分の関係にあるけれど、
Randomnessによって生じる行動は"意志"じゃないし、
Unconscious Stimuliによって惹起される行動は"自由"じゃない
という話をした。
そうしたら、使っているマテリアルはあまり変わらないのに、
だいぶ違った印象のプレゼンをすることができた。
Workshopのプレゼンはこういうものなのか、とわかった。

学位発表や学会発表では論理性と新規性が重視されるが、
Workshopではそれとは違うのだ。

発表を終えて喋りきって、ほっとしたら軽くなった。
思っていたより苦しくない。
恥辱や屈辱で惨めな気分になるだろうと思っていたら
そんな気分にはならんくて、
心が晴れ上がるのを感じた。
あれ?楽しいぞ。

質疑応答の時間も楽しかったし、
その後の他の人の発表を聞いて議論するのも楽しかった。

080312a.jpg


以前も池上研との合同ゼミはあって、
その時はそれぞれのヒトが喋っていることが
全然わからなかった。
そこここで知の手榴弾が爆発しているんだけど、
ちっともそれらの風圧や爆音を感じることができなかった。

二年前の池上研との合同ゼミ:Beyond story telling
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2006/02/gewalt_in_virtu.html

だけれども、今回は違って、
自分のテーマと関係していることもあってか、
わかる!、おもしれえ!のである。
特に池上さんがすごい。
いままで池上さんの話は理解できないことばかりだったけど、
今回はわかる!すみずみまでわかる!(誇張有り)

それで、いかに池上高志というヒトがかっこいいひとなのかと
いうことがよくわかった。
池上さんはかっこいいのである。
オレは「自発性ってなんだよコンチクショー」と
叫ぶばかりだが
池上さんは「自発性ってこういうものだよね、
でもそれじゃないじゃない。
ここがこうであーなって、
で、こういうものを作ってみたんだけど、
まあこれはこれでおもしろいんだけど、
やっぱり自発性じゃないじゃない」
という感じで、かなり華麗に自発性の問題を追いつめている。
「このヒトはあと一歩で自発性の問題を解くんじゃないか?!」
と思った。

080312b.jpg

Workshopは渋谷にくりだし、打ち上げ。
そこで、今日の発表者でもあり、
池上研の佐藤さんと話す。
話し込む。
大いに話し込み盛り上がる。
意気投合!

佐藤さんは、大真面目に
感覚的クオリアが!志向的クオリアが!
二元論が!唯物論が!唯心論が!
脳を見ている脳がその脳を考えるとは!
と言う。
それにしびれた。
オレの場合、そういう「ハードプロブレム」の
問題を議論するときは一種の気恥ずかしが
あって、そこまで強く主張したり発言したり
することができない。
その気恥ずかしさは、自分がそれらについて
キチンと理解しているか不安であり、
もしかしたらトンチンカンなことを
喋っているんじゃないかという危惧があるからで、
いちいち相手の同意を確認しながらじゃないと
喋れないし、
一旦、相手に首をかしげられると、
全力でその話題から逃げたくなる。

ところが佐藤さんはマシンガンのように
そういう話をする。
オレがここがよくわからないよ、とか
そこはこうなんじゃない?とか言っても
一向にひるまない。
そのやりとりは最高に楽しかった。

しかも佐藤さんは相当へんなひとで、
腕に切り傷がいくつもあるとか、
学年は同じなのにオレより二個年上とか、
ビラ配りのバイトをしてて一日に130km走ることがあるとか、
今度 禅寺に修行にいくとか、
携帯は持ってなくて代わりにGmailのアドレスを教えてくれたとか、
なんかもーすごく変人だった。

そんなこんなで夜は更け、
岩村さんと一緒に何故か山手線品川方面に乗り、
気付いたら菊名の家に戻ってきていた。
(実家に帰る予定だったのに・・・)

茂木さん!
きのうのworkshopはすっげい楽しかったです!
やりたくないとかひどいとかもじゃもじゃとか言って
ごめんなさい!

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