フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

1万時間

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いま会社は人手不足で、その為に求人を出しているのだが、
それに関連して、労働時間や最低賃金など労働にまつわることを
調べているうちに、ふと自分の労働時間を計算してみたら、
3年やると1万時間に達するということに気付いた。

オレは毎日11時間程度働いていて、
休日は日曜と祝日のみなので、一ヶ月の出勤日数はだいたい25日。
そうすると一ヶ月の労働時間は

11時間 x 25日 = 275時間

であり、一年間では

275時間 x 12ヶ月 = 3300時間

だから3年で9900時間ということになる。
3年1ヶ月やると1万時間を超える。

そろそろ丸2年が経過するし、この仕事に就く前の自分の来歴を考えると、
3年を待たずして1万時間に達するだろう。

なんで、そんなことを言い出したのかというとMalcolm Gladwellの
「Outlier」という本のことを思い出したからで。

その本の中では、成功をするための要因として、
一定の能力があることの他に、
その能力を磨くための努力を一定時間続けたかどうかがキーになるということが
書かれている(らしい)
その、一定時間というのが1万時間なのだそうである。

柏野さんのブログにその本の情熱的なレビューが載っているので、
その本自体は読まなくてもそのレビューを読むことは強くお奨めする。

wrong, rogue and log : Outliers: The Story of Success
wrong, rogue and booklog - Malcom Gladwellの"Outliers"は原書で読もう

(それで以前から読みたいと思っていた本をKindleで原書を購入して、ちまちま読んでいる。まだ5%しか読み進んでないので1万時間の話はでてきててない)

その1万時間にあと1年はかからずに到達し、
それがある種の閾値を超えることが、
自分のなかの感覚と合致するのである。

最初はとにかくガチガチに緊張しながら会社の運営をやっていた。
当然、会社の中のことで曖昧なことや、わからないことは多かったし、
どう振る舞うべきか、どう考えどう行動すべきかということで
不安はいっぱいだった。
それが、だんだん会社の全体が把握できるようになり、
自分のアクションに対する社内のレスポンスが予測できたり、
社内の状況から社内の内部状態を推察する能力が養われてきたりしてきて、
会社の運営をかなり不安なく適切な予測をもって行えるようになってきていた。

自分が会社の手綱を握り、それを操作しているという操作感(agency)を
感じられるようになってきたのだ。
その感覚がもうすぐ、きちんとした確信に変わるのではないかという
予感がしている。

その予感と、もうすぐ1万時間を迎えるという事実が
呼応しているように感じられるのだ。

自分のこの長時間労働っぷりは泣きたくなるほどだし、
自分の現在の月給を勤務時間でわったときの時給は情けないほどだけど、
1万時間を達成するための猛特訓だと思えば、
自分のいまのぼろ雑巾のような毎日も報われるような気がする。

すこしまえに、経団連の偉い人が
「若者は入社して数年間は泥のように働け」という発言をして、
反感をかっていたし、自分もそれが若者を搾取する経営者の言葉に見えたが、
その言葉の真意が、
何かしらのプロフェッションを獲得するために
一定の期間は密度の高い時間を過ごせ!という意味なのだとしたら、
その解釈は違ってくるなと思った。

なかなかはまったどぶから抜け出せないけど、
見上げる夜空の星はキラキラと汚れのない美しさだし、
あの星を掴んでやると、また性懲りもなく今のオレは思っている。


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