フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

書きたいことは感傷じゃない

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ブログの更新頻度が上がっていて、
しかも感傷的な感じのことばっかなので、
さぞや読んでいただいている方々におかれましては
胸糞悪い思いをされていると思いますが、
いかがお過ごしでしょうか。

何日か前の記事に
「今年はもっとブログを書きたい」と書いたわけだけど、
決してそういう感傷を書き散らしたいという意味でそういったのではないのだが、
いかんせん10年以上そういうスタイルで書いてきたので、
そこから脱却できない。

みてみてー、オレの感傷ー
オレって繊細でしょうー
傷ついているオレ、かっこいいでしょー

という感じの日記を書き続けて10余年。
いかに精確に克明に自分の心の中にある機微を言葉にして紡ぎだすか。
自分にとってWebに日記を書くというのは、
つまりそういう営みだった。

でもそういう記事を書くのが許される時代は
もうとっくに終わっているのだった。
たぶん2006年ぐらいに。
許される、というか需要がないというか、
その感傷を伝えるためのプラットフォームとしては
Webは適切に設計されていないというか。

感情や感傷は、Googleの検索ではひっかからない。
検索エンジンがはじき出すページの価値に、
まだ誰も言語化したことがないような曖昧で些細な感情の希少性や
幾重にも屈折した果てに元々の感情とは
程遠く変質してしまった感情の表現の見事さは
加味されない。

我ながら、ああやって感傷を開陳して喜んでた昔は
ずいぶんあいたたたな過去であるなと思うけれど、
でも、あの表現行為が無意味だったと思うつもりもない。
あのころのWebにはああいう表現が似あっていたと思う。
そしてそういう表現を好む人同士をつなげるメディアとして
Webは機能していたと思う。

ああ、やっと言葉にできてすっきりしたよ。

で、これからなんだけど。
最近自分は、意識の高い市民(笑)であり、
意識の高い国民(笑)になってきつつあるので、
住んでいる地域の政治のこととか、
日本国の経済であるとか、
はたまた新たに取り組みはじめたArduinoを使った電子工作のこととか、
ロボット掃除機ルンバであるとか、
あるいは、科学雑誌NatureのPodcastや
そのダイジェストの月刊誌に載ってた記事であるとか
そういうことを書いて行きたいと思っている。

でもなんかどうにも脈絡もなくそういう記事を投下するのは
どうなのかと思い、そういうことがかけないまま、
以前の惰性で誰も興味ない日々の感情の機微みたいなことをかいている。

読んでいるひとが気にしてるかどうかわからないけど、
どうにもブログというものがもつ、一貫性・時系列性みたいなものが
邪魔をしてしまって困る。
ニュースサイトのニュースのように、記事をちぎっては投げ、ちぎっては投げと
それぞれにつながりがない情報をぽんぽんぽんと出していくのは、
読んでいる人が混乱しないかと思ったりしてしまう。

だって、仕事で辛くて死にたいみたいなことを書いた30分後に、
Arduinoと圧力センサー使って重量計作ってみたーみたいな記事が出たら、
あの死にたいとかのたまってたのはなんなの?ってみんな思うよね。

というわけで感傷的なことを書いたら、
次もそこから飛躍し過ぎない範囲のことをかかなければ。
前回の記事との連続性を保たねば。
ということが気になって、もっと気楽に書き殴ることができなくなっております。

いい加減、この数学的帰納法みたいな制約をのりこえたいという機運が
(自分的に)高まってきたので、
ここにメタブログ的な記事を書いて、
これまでの文脈をご破算にすることを宣言いたします。

時間がないとできないけど、いまのブログのデザインも抜本的に変えないと
いけないと思っております。

ところで、政治ネタが書きたい!とか電子工作ネタが書きたいとか、
科学関係の記事を書きたい!というのは、
どういうことかというと、
いまの時代のWebにおいて、記事というのは
その文章がその文章だけで独立していて(パッケージ化されていて)、
なおかつその記事があることで、Webが構成する情報貯蔵空間が
ほんの少しでも豊かになるようなことでないと意味がないという考えに基づく。

僕がこれまで書いてきた、感傷や感情は、
Webにある情報を拡張しない。

書く内容は変えるけど、書くモチベーションは同じで、

みて、僕の文章!
どう?僕の知性、品性?
素敵でしょ!見てよ、褒めてよ!

というものであります。
自己承認欲求上等!でここはひとつ。


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