フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

Honeymoon salad

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少し前にハネムーンサラダを作ってみた。

IMG_0038.JPG

むかし、高校生のころ読んだ漫画で、
二宮ひかるの「ハネムーンサラダ」というのがあって、
あれは強烈な漫画だったからずっと覚えている。

ハネムーンサラダ(5)
二宮ひかる

その中に件(くだん)の”ハネムーンサラダ”が出てくる。

ハネムーンサラダというのはレタスだけのサラダのこと、らしい。

lettus only (レタスだけ)

これは音だけだと次と(ほぼ)同じ

let us only (私たちだけにして=二人きりにして)

だから新婚の二人が食べるのだ、というようなエピソードが
作中で出てくる。

これがずーっと頭の中にあって、
結婚したらこれを食べてみようと思っていた。
けど忘れてた。

で、結婚3ヶ月が過ぎた頃、ふと思い出して作ってみた。

作るといってもレタスちぎって終了なのだけど。
でもこれだとたぶんおいしくないので、
イタリアンドレッシングをかけて食べた。

奥さんと「草食動物みたいだね」といいながら食べた。
まぁだから何だって感じですが。

* * *

ただこの話、高校生の頃は素直に信じていたけど、
今になって聞くと、どことなくうさんくさい。
作者の創作かな?とhoneymoon saladでググってくると、
極僅かだけど英語でそれらしいことを書いてある記事があるので、
たぶん本当なんだと思う。
(でも検索結果の上位をこの漫画がほとんど占めている)

ハネムーンサラダは他にも

Lettus alone without dressing (ドレッシングなしでレタスのみ)

=Let us alone without dressing (私たちを裸で二人だけにして)

という言い回しもあるらしい。
というか、こっちが正統っぽい。
露骨だー。

こっちが正しいとすると、ドレッシングをかけたのは邪道だったかも。

* * *

それはともかく、「Honeymoon、蜜月」という言葉の持つ質感がすきだ。

蜜、なのである。
甘いのである。
砂糖じゃなくて蜜だから、あまあまだ。

付き合いたてのカップルなんか、まさにこういう状態だ。

今までずっと蜜月の"蜜"の方に注意が向いていたけど、
実は"月"の字の方にも思っていたより深い意味があると知った。

HotForWords : Happy Holidays!

HotForWordsが上記リンクで
Honeymoonの語源について解説しているのを見て知った。

英語のHoneymoonというのは他の言語から借用してきた言葉のようだ。
すなわち、蜜月という言葉がHoneymoonの直訳であるように、
Honeymoonというのはフランス語の lune de miel の直訳なのだ。
(そういう単語をcalqueと呼ぶ)

それで、lune de mielも結局 "月 (lune)" と "はちみつ(miel)" なわけだけど、
"月"という表現には「ひと月で満ちて欠けてしまう」、
という含意があるということ。
つまり一定の期間しか続かない、ということ。

この"月"という文字に込められた意味を知ったとき、
頭の中に感嘆符が5個ぐらい並んで、大発見をした気がした。

どんなにお互いが好き合って熱愛中でも、
じきに冷めてしまうということが古今東西問わず、
普遍的にそうなっていたというのが、
おかしいようなせつないような気がした。

* * *

ちなみに、ハネムーンの語源はこの他に、
古代ゲルマン人の風習で子作りのために
一ヶ月間ミード(はちみつを発酵させたビールのようなお酒)を飲んで
精力をつけたために由来するという説があるらしい。

ハネムーン - 語源由来辞典

* * *

そういえば、日本語で「ハネムーン」というと、
"新婚旅行"という意味で使われるのが普通か。

こういう、言葉が本来持っていた豊かな意味が失われて、
別な、しかも大して深みのない意味に言葉が置き換わってしまうのは
個人的には悲しいなと思う。

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