フェムトセカンド #七味とーがラジオ / @melonsode

The Destination is unknown. The Journey is the Reward.
Author: 野澤真一 / NOZAWA Shinichi , version 2.0220330 / Podcast: 七味とーがラジオ / twitter: @melonsode

CHE: Part Two

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有楽町で「チェ 28歳の革命」の続編、「チェ 39歳別れの手紙」を見た。
「チェ 28歳の革命」の方は渋谷でみたのだけど、
その時はとても混雑していて観ようと思っていた回は満席で
次の回まで待たなければならなかった。

今回は、開始時間すれすれにチケットを買って入っても
半分以上空席があるという状態だった。

「チェ 39歳別れの手紙」はボリビアでのゲリラ戦の様子を描く。
ゲバラのゲリラ軍はどんどん追い詰められていき、
最後はゲバラは戦闘で負傷し弾薬も尽き逃げ切れず、
拘束され銃殺される。

そもそも多くない仲間がひとりまたひとりと戦死し、
追い詰められていく様は悲痛だった。

ゲバラは日増しに絶望的になっていく戦況の中で
一度も弱音を吐いたり悲観的な発言をしたりしなかった。
ただの一度も。

映画だから、といえばそれまでだが、
ゲバラという人は本当にそういうネガティブな発言は
しなかったのではないかと思う。

「俺たち、もうダメかもな」

「最後に、あいつらに目にものみせてやろうぜ」

「死ぬな!なんとしても生きるんだ!」

我ながら陳腐な台詞を書いているけど、
そういう類の戦争映画ではありがちな、
悲観的な感傷に酔ったり、
ヒロイックな演出をしたり、
激情に身を任せたり、
そういう発言が皆無だった。

悲観的な言葉や自虐的な言葉には人を酔わせて
ある種の感覚を麻痺させる力がある。
まともでいたら精神が耐えられないような状況で、
人はその力を借りて正気を保とうとする。
なんらかの理性を犠牲にして。

ゲバラはその誘惑には決して屈しなかった。
ネガティブな言葉がもつ諦念の発生と思考停止をよく理解していたのだと思う。
ゲバラは繊細な人だから、
仲間の死や作戦の失敗に関して人一倍感じることが多かったはずだが、
それでも身体を突き抜ける激情に耐え、
合理性をわすれなかった。

戦況が悪化しているときにすべきは、
それを嘆き悲観することではなく、
それを改善するために考え、行動すること。

仲間が死んだときにすべきことは、
泣き悲しむことではなく、
埋葬をし、いなくなった仲間の分を補うため
新たな隊の編成を考えそれを組織すること。

ゲバラのその強靱な精神性に胸をうたれた。

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